皆さんお久しぶりです。演技講師のマイコーです。
本日はMー1グランプリに学ぶ「自分の武器の見つけ方」についてお話をしていきたいと思います。
皆さんはMー1グランプリご覧になりましたか?
今や年末の風物詩ともいわれる漫才頂上決戦M-1。今回は見てない人もいると思うので、昨年 のM-1の解説もしつつ、その中で私が気付いた【自分の武器の見つけ方】や【磨き方】についてお話をしていきたいと思います。
まだ見てないよという方は公式のYouTubeで漫才が期間限定公開されていますのでそちらも併せてご覧ください。
いきなりのネタバレになりますが…
今回の優勝はウエストランドさんでした。おめでとうございます。
決勝戦では様々な形の漫才が披露されました。
王道のしゃべくり漫才、コントを取り入れたコント漫才、リズム漫才や漫才というくくりはあるものの独創的なものも含めると十人十色。
優勝したウエストランドさんは「毒舌漫才」と言われています。
その個性のぶつかり合う戦いを見ていて声優にも通じる部分あるなぁと気付きましたので今回は自分の武器についてお話をしていきたいと思います。何かの参考になると思いますのでぜひ最後までご覧ください。
そもそも声優と関係があるのか?
漫才と声優って関係ないでしょ?と思うかもしれませんが
「自分の武器」という部分においては声優に活かせることもあると思います。
漫才師が「しゃべくり漫才なのか、コント漫才なのか?」とどこに軸を置いて漫才するのか考えるのと同じように自分の武器は何かを考えることはとても大事なことです。
自分の武器は声質なのか、芝居なのか?
声質なら高音がいいのか?低音がいいのか?
芝居は若々しいのか?年配の芝居が得意なのか?
コメディが得意か?シリアスが得意か?
自分は説明台詞やナレーションが得意なのか?
感情的な台詞が熱量を発揮できるのか?
考える項目はこれだけじゃないですが自己分析は大事です。
自分の得意・不得意を時間がある時にこそ考えておきましょう。
やりたいこととやれること
自己分析において自分がやりやすいだけじゃなく他者からの評価も考えてみてください。
私が得意と思っていても実は人からはそういう風に聞こえていないこともあります。
周りからの評価というのが絶対ではないですが、自分がやりやすいものだけをやるっていうのはやめたほうがいいでしょう。
もちろん人に言われたからといって自分の嫌いなものや苦手なものを無理にやる必要もないです。ただ、評価されているのには何かしら理由があると思いますのでその分析をしてみるもの視野を広げるきっかけになるかもしれませんね。
ウエストランドが優勝した武器の磨き方
今回優勝したウエストランドさんは「あれは悪口漫才だ」「優勝に値しない」など賛否両論でした。この漫才スタイルは以前からあったもので2020年大会にも決勝大会まで駒を進めていました。
その時も今大会と同じようなスタイルでした。
内容としては自分がモテないのは女性の見る目がないからだ、といったものです。
ではなぜ今回優勝したのか?
審査員をしていたナイツの塙さんや敗者復活戦の司会をやっていた陣内智則さんなど多くの芸人さん、そしてウエストランドの井口さんがそのことについてご自身のYouTubeで言及していました。
- キャラの認知
ウエストランドは2020年にも決勝に進出していました。しかし文句を言うというキャラクターが認知されていませんでした。そこからテレビ番組に出演する機会も増えてキャラクターが世間に認知し今大会で「文句を言う人」というのが理解されたようです。引くことなく、いつものことだと笑える形になっていたのではないか? - 見せ方のブラッシュアップ
前回は単に世間への不平不満をぶちまけるという内容で不快に思う人もいたかもしれません。しかし今回は「あるなしクイズ」というフォーマットに落とし込み、そのクイズ内で毒を吐くという形に落とし込みました。やっていることは同じでも建前を作るだけでポップでオブラートに包まれた見せ方になりました。 - タイミング
ウエストランドの出番は最後の10組目でした。そこで最終ラウンドまで残り、そこで一番目になったことで実質連続でネタを披露することになりました。これで観客は「さっきの続き」という形ですぐに受け入れ体勢に入れたわけです。場の空気を支配できたのは勝負をわけた要因かと思います。井口さんご本人も「あの日あの時じゃないとダメだったかもしれない」と話すほどタイミングにも恵まれていました。運も実力のうちですしそこで実力を発揮できたのは技術あってこそですよね。
悪口漫才と取り沙汰されますがお客さんを引かせないボーダーラインを攻める見せ方は磨き上げたからこそ出来上がった漫才だと感じました。
声優としてどう取り入れるか
さあ、お待たせしました。ここまで長々と分析をしてきましたがここからが本題です。
自分の武器を磨くということはどういうことなのか?
これについてお話していきたいと思います。
簡単にまとめますと…
人から評価されるものは何なのか考える(調査)
それを生かすためにはどうするか(見せ方)
以上の部分を意識することが大事です。
自分の強みを分析することやヒヤリングすることは先述した通りです。
大事なのはそのあとの見せ方です。
ウエストランドが毒舌という持ち味の見せ方を変えたように、
それをどう見せるかによって大きく印象が変わります。
ボイスサンプルに取り入れるにしてもどうやって聞かせるのか?
得意なキャラや音域だけではいけません。
どんなセリフや展開だと効果的に聞かせることができるのか?
そこまで考えてください。
ボイスサンプルの順番も大事です。
プロは歌手のセットリストのようにそこまでこだわっています。
特別な時だけじゃありません。
今やっているレッスンで見せられないか。
いえ、見せる以前にその題材で磨くことができないかということも考えてください。
とにかく試行錯誤することです。それが成長につながります。
試行錯誤するうちに頭打ちになることもあると思います。
その時は少し視点を変えてみてください。
漫才師がコントに挑戦したりシャッフルユニットにしたりカバー漫才をしたり、自分の武器はこれだというものから距離をおいてみましょう。
一見寄り道しているように感じるかもしれません。
そしてそれが無駄に終わることになるかもしれません。
しかし、もしかしたらヒントになることがあるかもしれません。
スランプで視野が狭くなっている時こそ別のことをやってみるのは一つの手です。
爽やかなイケメン芝居ばかりじゃなく渋い芝居はできないか?
シリアスばかりやっているがコメディは?
熱血で勢いあるセリフが得意だけど冷静に淡々と語るのは?
もちろん武器を捨てろということではありません。
あくまで武者修行のつもりで挑戦してみるのです。
そしてそこで学んだものを持ち帰って自分の武器を磨くのです。
もしかしたら武器が増えるかもしれません。
ここで勘違いしてほしくないのは「頭打ちになったら」という点です。
ちょっと壁にぶつかっただけですぐに見切りをつける人がいます。
それは早計というものです。
消去法で武器を見つけるのではなく焦らずに自己分析とヒヤリングすることが大事です。
駆け出しのうちは自分の軸が決まらなくて当然です。なんでも挑戦すべきだと思います。
しかしすぐに向いてないと諦めて考えることを放棄してしまうと結局どれもものになりません。
どの道も険しい道です。楽なものや近道はありません。
一歩ずつ熟練度をあげていけるように考えて行動してみてください。
今回の話が皆さんが壁を打破するヒントになれば幸いです。
今回のお話はYouTubeでも動画にしています。
よろしければそちらもご覧ください↓
チャンネル登録もよろしくお願いいたします。
本日のレッスンはここまでです。
また次のレッスンでお会いしましょう。