恩師に昔言われた言葉です。
役者たるもの、24時間役者としていろ
現実問題我々は声優一本で食べられるまで多くの人がアルバイトなどの副収入で家計を支えます。
しかし、ここで陥りやすいのがアルバイト中心の生活になってしまい、レッスンや自主練習がおざなりになってしまうことです。
バイト中心の生活になってませんか?
極貧生活を肯定するつもりはありません。
清貧に甘んずることが必ずしも成功につながるわけでもありませんから…
役者は身体が資本ですので最低限、健康管理は必要です。
このバランスがとても大事だと思います。
自分の時間を確保しつつ、生活費を稼ぐ、またはバイト先に怒られない程度にシフトに協力するか…今一度考えてみるといいかもしれません。
とはいっても、役者は舞台も見たいしオシャレもしたい、本も買いたい…なにかと物入りですよね?
バイトが役者をやる上で障害だと言っているのではありません。
ココで冒頭の言葉なのです。
アルバイトをしているとしても
「その時間はアルバイト店員として働くのではなく役者である自分が働いている」
という意識が必要だという意味です。
「あ、あのお客さん酔っ払ってる…呂律が回らなくなるとあんな感じに喋るのか」
「バイト先でミスして怒られちゃった…凹むな…ムシャクシャする…あ、私って怒られたらこんなイライラするんだ」
などなど、何事も人生経験です。
もしかしたらそれが演技のヒントになるかもしれません。
ディテールは経験がものを言う
例えば、コンビニでアルバイトをしたことがあるAさんとアルバイト経験がないBさんがいたとします。
2人の演技力は同等のものとして、コンビニ店員の役のオーディションがあった時にどちらの方がより忠実にコンビニ店員を表現できるでしょうか?
まず間違いなくAさんですね。
演技をする時に大事なのはイメージすることです。
そのイメージが具体的であればあるほど表現が具体的になります。
Aさんは普段からやっているアルバイトをイメージすれば、仕草や声の出し方、接客方法など自然と表現できるはずです。
一方Bさんは、コンビニ店員というイメージはあってもどうしても漠然としたものになってしまいます。
ですので、Aさんはレジを打ちながら
あぁ、つまんない。早く終わんないかな
とボーっと過ごすのではなく、これも演技の勉強と割り切ってバイトに取り組んではいかがでしょうか?
何がキャラクターを作るヒントになるかわかりません。
常にアンテナを張って働きましょう
…勿論、お仕事はしっかりやった上でですけどね(笑)
【追記】バイトを転々とするべきか
さて、この記事を更新してから色々な質問を受けました。
その中でも多かったのが「どんな役でも出来るようにバイトを転々とした方がいいですか?」というもの。
確かに人生経験を豊かにするのは役者にとって大事なことです。
知らないより知っている方がいい。しかし、無理に生活リズムを変化させ続けることが絶対ではないと思います。長年経験することでわかることもあります。もちろん色々経験することで得られることはあります。
どちらが良い悪いではないのです。両方の選択肢にメリット・デメリットがあります。ワタシが今回語りたかったことの真意としては「どんな環境下においても役者と切り離してぼーっと過ごすのではなく、何でも演技に取り入れる気持ちで臨め」ということです。
経験だけでなく、観察して演技に取り入れるのも重要なことです。要は気の持ちよう。常にアンテナを張り続けて自分の演技を進化させていきましょう!
どんな環境下でも演技に役立つヒントで溢れている
それではまた次回お会いしましょう!