初心者からプロまで指導してわかった伸びる子の特徴

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こんにちはワタシです。
寒い冬が過ぎて暖かい日も増えてきましたね。
もうすぐ新生活という人も多いのではないでしょうか。

さて、春から養成所に入所する人・進級する人・事務所に所属する人…様々な新生活が待っていると思います。
本日は初心者からプロまで演技指導をしてきてわかってきた「伸びる子の特徴」についてお話したいと思います。伸び悩んでいる人やレッスンを受けたことがなくどうすればいいか戸惑っている人は是非参考にしてみてください。

礼儀を重んじる世界

何も優等生が必ずしも伸びる世界ではありません。
ときには自分の意見を主張したり、わがままを通すことも必要です。
しかし声優業界(それ以外もですが)は礼儀を大事にしています。

ともすれば声優はアニメ文化というイメージから文化系のように思われますが、役者の世界は体育会系な業界でもあります。新人はスタジオで先輩や監督、スタッフの手を煩わせないように色々と気を遣う必要もありますし、飲み会などでも動くのが暗黙の了解です。

ですので、召使いのようになる必要はありませんが、失礼のないように最低限の礼儀や気遣いを必要としています。意外と体育会系の部活出身者とかも多い世界だったりします。

まずは挨拶をしっかりとしましょう

「おはようございます」「お疲れ様です」
まずは出会った人にしっかりと挨拶できるようになってください。家族でも友達でも先生でも構いません。身近な人に挨拶やお礼をしっかりというようにしましょう。

挨拶ぐらいなら誰だってできるよ

なんて思う人がいるかもしれません。
しかし、いざという時に言葉が出なくなることもあります。普段から挨拶を習慣づけましょう。
また、誰だってできることだからこそ演技はまだまだ未熟でも
「あの子は気持ちいい挨拶をする子だ」
といった印象を残せるようにしましょう。

また返事も大事です。
レッスン中に先生が問いかけたことに対して返事をしていますか?
いちいち相槌のように返事をするとうるさくなってしまいますが、先生が「次回までにこの台本を覚えておいてくださいね」などの投げかけをしたらしっかりと返事を返すようにしましょう。

さて、ここからは実際にワタシがレッスンで伸びた子の特徴をご紹介していきたいと思います。

言われたこと以上をやる

レッスンをしていて色々課題をやってもらうことがあります。
「外郎売りをここまで覚えてきましょう」
「ここはもう少しこういうイメージでやってみて」
などなどこちら側が要求することがありますが、伸びる子はこちらが要求した以上のものをやってきます。普通の子は言われた部分だけで満足してしまいますが、できる子はこちらが言わなくてもどんどんと自分で先に進みます。そして、自分で試行錯誤をして色々と提案をしてきます。

皆さんも言われたことだけに満足せずにそれ以上のプラスアルファをやってみてください。

楽しむ時と真剣な時の切り替えができる

レッスンで仲間ができたり、友達と仲良くなって楽しく話したり遊ぶのもいいことです。
しかし、レッスンにそれを持ち込むのはご法度です。
逆に「全員敵だ」と交流しようとしない人もいます。たしかに友達ではなくライバルなのでなれ合う必要はありませんが、交流を拒否するのもやりすぎだと思います。

楽しむ時は楽しみ、真剣な場面ではしっかりと集中する。

それが成長する人です。
公私混同せず、しっかりと切り替えて、集中すべき時をわきまえることを意識しましょう。

他人のダメ出しも自分の糧にする

自分の出番だけしか集中していませんか?
人数が多いと自分の出番が数分だけ、なんてことも珍しくありません。
へたしたら出番がなくて終わることも…
実は人がやっている時も吸収できることはたくさんありますし、ヒントは転がっているのです。

伸びる人は他人へのダメ出しでも集中して聞き、自分に当てはまることやヒントになりそうなことを余すことなく吸収しています。

努力を努力と思わない

「滑舌練習しなきゃ」「台本覚えなきゃ」「発声をやらなきゃ」
やるべきことが多くてそれらに振り回されていませんか?
もちろん努力することは素晴らしいことなのですが、頑張って○○やらなきゃ、という受動的な姿勢よりも、○○したい!という能動的な姿勢の方が成長しやすいと思います。

「自分がこの練習をすることでこれができるようになる」

「しなきゃいけない」ではなくて、そう思うことで自分がレベルアップすることに喜びを感じ、成長を楽しむくらいでないと、やらされていてはのびのびとした発想や楽しそうな雰囲気が伝わりません。

もちろん演技は自分が楽しければいいわけではありません。しかし。楽しむことで言葉が乗ってきて熱量が伴った芝居や、型にはまった芝居から脱却した面白いものができることもあるのです。色々できるはずなのにやらないのはもったいない!

努力を努力と思わずに楽しんでみてはいかがでしょうか?

礼儀正しく相手へのリスペクトがある

これは最初の礼儀や挨拶にも関連しているのですが、伸びる人は相手へのリスペクトを感じます。年下や後輩にも見下すことなく、すごいと思うことは認めて、そこから自分に足りないものを感じて成長しようとしているのです。

「後輩だから」「あの子は私より下のクラスだから」

そういった理由で相手から学べるチャンスを逃すのはもったいないです。

失敗を恐れず積極的で向上心がある

自分のやりたいことしかやらないのではなく、積極的に挑戦する姿勢も大事です。
こうやってみてと講師や監督が要望をだすと、自信がないためなかなか踏ん切りがつかない人が多いです。しかし、伸びる子は出来る出来ないは別として、果敢に挑戦してみるという姿勢をもっています。

失敗したっていいんです。こちらは失敗しても挑戦する姿勢が大事だと思っています。さらに、失敗したら失敗で終えずに次につなげるように自分なりに練習してくればますます伸びます。

自己分析ができている

先ほどの挑戦に失敗したあとに「何故失敗したのか」「どうすればうまくいくのか」ということを自問自答して自己分析をし、自分の弱点と武器を理解している人は強いです。

その弱点の原因と克服を少しずつでもやることで成長することができます。さらにそれを突き詰めると弱点が減っていき苦手意識もなくなり、多くのことに挑戦するチャンスがめぐってきます。

自分は何が得意で、何が苦手で、何をよく求められているのか、どんな癖(芝居の系統や言い方)があるのか、など自分を客観視して分析してみましょう。
そして、その武器や考えが他人から見ても同じなのか確認してみてもいいでしょう。

そう思っているのは自分だけ、なんていうのは独りよがりな分析です。
自分の武器と需要を理解するとどのように動けばいいのかわかってきます。

敵を知り己をしれば百戦あやうからず

というのは、かの有名な孫子の言葉です。トライ&エラーを繰り返して自分を研究してみましょう。

まとめ

さてワタシが出会った伸びた子の特徴をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

最初からすべてを網羅できたらいいのですが、難しい部分もあると思います。
しかし、挨拶や果敢に挑戦する姿勢など演技のスキルに関わらず意識できることもあると思います。

まずは自分でできる範囲でいいので、少しでも自分が成長できるように取り入れてみてください。
少しでも皆さんの助けになれたら幸いです。

それではレッスンがんばりましょう!