シアターゲームは演技に役立つのか?

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シアターゲームサムネイル

シアターゲームというものを聞いたことがありますか?

演技レッスンをやっていると
「台本を渡されて演じて講師からフィードバックをもらって…」
そんなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
ですが実際は養成所や専門学校に入ると自己紹介や自己PR、発声練習や肉体作り…
なかなか台本をもらって演技らしいことができない!
なんて嘆いている人も多いと思います

その中でシアターゲームというものがあります
ゲーム形式で体を動かしたり頭を使ったりしてまるでお楽しみ会のレクリエーションみたいな…
「え、これって演技なの?遊んでるんじゃないの?」
実はこれも立派な演技の稽古です

本日はシアターゲームにイマイチ意味を見いだせない人に向けて、
シアターゲームの意味と効果についてお伝えしたいと思います

シアターゲームの意味

シアターゲームを知らない人のために簡単にいくつかご紹介します
例えば…

  • 輪になって中央に一人鬼を置いて鬼が近づいた人の名前をみんなで呼ぶと鬼がもどる。名前が呼ばれず捕まったら負け。
  • 二人一組になり片方は目隠しをしてもう片方が声で指示を出してゴールまで誘導する
  • ボールなしで動きだけでキャッチボールをする。縄なしで大縄跳びをする。
  • 各自教室を自由に歩き回り、誰かがジャンプしたらそれに合わせて同時にジャンプする
  • 横一線に並んで横を見ずに同じスピードで端まで歩く

こんな感じです。

え、なんだか楽しそうなんだけど?

そうです。実際にレッスンでやると盛り上がります。
まるでお楽しみ会をしているような雰囲気にもなります。
これってレッスンと言えるのでしょうか?
視点を変えてみましょう
このゲームにどのような意味があると思いますか?

目的を考えてみる

さて、目的を考えてみましたか?
一緒にパーティーゲームをしてどんな効果があるのか?

まず考えられるのが「メンバーとの交流」です
単発のワークショップや入学したてなどお互いを知らないことも多々あります
プロの現場ですとそれでも恋人役が演じられたりもしますが初心者はどうしても距離ができます
まずゲームを通してお互いの距離を縮めること
名前を覚えたり、どんな人か見えてきてコミュニケーションを取ることが必要になります。

先程の鬼が近づいた人の名前を呼ぶゲームなどをやるとメンバーの名前をすぐに覚えます

演技はコミュニケーションです
相手と芝居をすり合わせる必要があります。
まずはゲームで瞬発力を鍛えたり楽しみつつ親密になる効果があります。

空間の共有

さて、演技におけるコミュニケーションすることの重要さはわかったと思います。
コミュニケーションを取ることで切っては切れない要素があります
それは「息を合わせること、感覚やイメージを共有すること」です

例えば「暑い砂漠を歩く」という演技で
どれくらいの暑さなのか?
どれくらいの距離を歩いているのか?
など人によって認識がバラバラになります。
具体的なセットが組まれていれば別ですが実際に砂漠を作ることも彷徨い疲れることも難しいです

空間や認識、感覚を共有させること
これが説得力のある演技をするためには必要不可欠です
シアターゲームではこういった認識を共有する練習になります
ボールなしのキャッチボールや縄なしの大縄跳びは認識が一致すると
本当にボールや縄があるように思えてくるから不思議です

目隠しをして遠隔操作するゲームでは
相手にどう伝えたらどう動くか?
どう動いたら相手が指示しやすいか?どう言葉を受け取るか?
そんな練習になります

もちろん目隠しという恐怖の状況下で指示役を信頼し身を委ねることも大事です
芝居は独りよがりにならないために相手役の立場になったり信用することも必要です
その勇気や信頼関係の構築にも役立ちます

余談ですが相手を信頼する練習に

背後に立ってもらい倒れたら支えてもらう

というものもあります。やってみたらわかりますが正直こわいです
失敗したら大変なことになるので倒れる方も支える方も真剣です。
これを無理にやる必要はないですが、信頼関係を強固なものにしてチームワークを良くするためにシアターゲームを取り入れてもいいと思います。

感覚を研ぎ澄ます

シアターゲームの効果として感覚を研ぎ澄ますというものも挙げられます

相手が何をしようとして、自分はどう動くべきなのか?
言葉のやりとりはなくても動向を感じ取って立ち回る。
いわゆる「空気を読む」というやつです。

打ち合わせせずに一斉にジャンプしたり横並びに歩いたり
最初は上手く行かないかもしれませんが徐々に呼吸が合ってきます。
初心者は言葉やセリフに頼りがちになってしまいますが五感で感じ取り反応する。
演技にはとても大事な感覚です。

一見遊びのようなシアターゲームですがこういう部分も鍛えられます

まとめ

いかがでしたでしょうか?
遊びのようなゲームなので演技に直結していないように思いますが実は練習になってるシアターゲーム
コミュニケーションをして認識を照らし合わせ、五感で感じ取り反応する

何も意識しないと単なる「楽しかった」で終わってしまいますが、どういったことが演技に役立つかを考えながらやってみるとより一層効果的です。

さきほどご紹介した要素以外にも色々成長のチャンスが隠れています
それを自分で考えてみるのも練習のうちです。
なにごとも目的を意識して向き合ってみてください。
きっとあなたの成長につながるはずです。

今日のレッスンは動画でも解説しています
よろしければそちらもご覧ください


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というわけで本日のレッスンはここまで。
また次回のレッスンでお会いしましょう。